酒の中に心あり
「酒中在心|しゅ・ちゅう・ざい・しん」
日本酒の原料は米と水。
だからこそ、素材の持つ個性と造り手の想いが一杯の酒の中に表れると私たちは信じています。
手間を惜しまず良質の米と水を守る人の心。
伝統を受け継ぎ妥協のない酒造りに情熱を注ぐ蔵人の心。
酒を味わいそのひとときを楽しむ人の心。
賀茂鶴で大切に守られてきた言葉を胸に、この広島から、心で醸す酒造りを伝えてまいります。
「酒中在心」を醸す杜氏
二号蔵 杜氏 椋田 茂
1997年賀茂鶴酒造入社。
2013年二号蔵杜氏に就任し同年には日本酒造技術研究連盟にて1位を獲得。
【全国新酒鑑評会通算6回金賞受賞】(2024年4月現在)
クラシカルでかつ現代的な味わい
お客様の心に寄り添った新しい酒を目指しました。
求めたのは「クラシカルでかつ現代的な味わい」です。
「甘からず、辛からず、ピンとしていて、旨口でサエがある酒」が、賀茂鶴の原点です。
「酒中在心」シリーズは、この原点を大切にしつつ、多様なお客様のニーズにお応えするための、新たな挑戦です。
そのため、歴代の杜氏が積み重ねてきた技を大切に引き継ぎながらも、さらなる新しい味わいを求めて、途絶えていた昔ながらの醸造法にも取り組みました。
また、農家の方の協力のもと、栽培の難しさから使われなくなっていた酒米を復活させました。
そして、あえて落ち着きのある香りのクラシカルな酵母も用いることで、個性豊かな4つの純米酒が誕生しました。
ラベルは現代的でポップな題字に、繊細ながらもモダンな色合いの日本の伝統色で彩りました。
これまでの賀茂鶴にない味わいが、皆様の食卓に寄り添い、彩ります。
酒中在心 藍 特別純米酒 生もと【雄町】
繊細でキレのある生もと 特別純米酒
手間暇のかかった「生もと造り」のお酒。
旨味と杜氏が心をこめて醸した繊細さを持ち合わせたキレのある落ち着いた味わい。
まず、常温でお召し上がりください。その後、燗もお試しください。
キレの良さを感じること間違いなしです。
原料米は芳醇でコクのある味わいにファンも多い酒造好適米「雄町」。
「雄町」を「生もと造り」で醸した特別純米酒。
「生もと造り」の工程の一つ「もと擦り」は桶の中の蒸し米と麹を2人1組になってすり潰す、骨の折れる重労働。
2号蔵の醸造社員が寒さに耐え、作業をこなしました。
【 飲み頃温度/冷温○ ・常温◎・ぬる燗○・上燗ー 】
内容量:720ml
アルコール分:16度以上17度未満
原材料名:米(広島県産)、米こうじ(広島県産米)
精米歩合:60%
原料米:雄町 100%
賀茂鶴の酒造り 「賀茂鶴が追及する “アマ・カラ・ピン・ウマ”」
賀茂鶴酒造の蔵には1枚の文章が入った額が掲げられています。 表題は「賀茂鶴の品質」。 「色艶淡麗にして優美な香りあり、風味濃く、 しかも軽快な滑らかさをそなえ、甘辛の中庸を得て、 飲みあきしない、賀茂鶴独特の吟醸酒造りの 秘法を駆使した『アマ』『カラ』『ピン』『ウマ』 四拍子揃った名酒。蔵の人が命をかけて造った酒。」
実はこれこそ、代々の杜氏から現在の杜氏まで脈々と受け継がれてきた賀茂鶴の酒の本質。各蔵の事務所や会所場(休憩所)に飾られたこの額の存在は、杜氏たちが飽くことなく酒造りを自問自答し続けてきた歴史の証です。「中庸」は、バランスがとれているということ。 主役はお料理、そしてお客様の会話。あくまでお酒は脇役に徹し、お客様が笑顔になっていただくことこそが賀茂鶴の求める味。 これが賀茂鶴を貫く哲学のひとつです。
酒米と使用酵母の違う4つの純米酒
「酒中在心」シリーズの4つのお酒は、すべて酒米が違います。
「鶯(うぐいす)」純米大吟醸は酒米の王様と言われる「山田錦」を用い、酸が穏やかで、落ち着いたオールドな香りを生み出す協会9号酵母を使用し、まろやかで深みのある香りのお酒を醸しました。
「橙(だいだい)」純米吟醸は広島県を代表する酒造好適米の一つ「八反35号」を、協会7号酵母を使用して、伝統の「生もと造り」で醸しました。酸のある、冷やで楽しむお酒です。
「藍(あい)」特別純米酒は芳醇でコクのある味わいにファンも多い酒造好適米「雄町」に、協会10号酵母を使用し、伝統の「生もと造り」で醸しました。常温から上燗まで、温度帯の変化を楽しめる、どっしりとした味わいのお酒です。
「茜(あかね)」純米酒は、委託農家のご協力のもと弊社が独自に復活させた幻の酒米「広島錦」を、賀茂鶴から生まれた協会5号酵母で醸しました。ふくらみと奥行きがある味わいをお楽しみください。
それぞれ異なる原料米と酵母を用いたのは、「これまでの賀茂鶴にない、賀茂鶴らしくない酒を求めた」と杜氏は言います。賀茂鶴酒造の伝統酒「ゴールド賀茂鶴」や「超特撰特等酒」が大きな幹ならば、「酒中在心」は新芽をつけた枝葉。たくさんの新芽からいずれ大きく育つ枝葉を楽しみながら待つ。「まだ進化は終わらない。酒質の追求も続ける」と意気込む椋田杜氏。「酒中在心」の進化の行き先をぜひ見届けてください。